消費税増税で保険診療(医療費)が上がるのはなぜ?


本記事は下記の方におすすめです。

・消費税増税で医療費があがる理由が知りたい

2019年10月1日に消費税が10%に上がります。

消費税の増税で影響を受けるのは食費や日用品など日々の出費を思い浮かべると思いますが、実は医療費も消費税増税の影響があります。

「でも保険診療は非課税なのでは?」

そうなんです。社会保険診療は非課税ですが、医療費が上がるんです。医療費が上がることに消費税増税と関係があるの?と思われる方もいてると思いますので、今回は消費税増税で医療費が上がる理由を説明していきたいと思います。

消費税はどんな仕組み?

医療費がなぜ上がるかをお伝えする前にまず、消費税がどんな役割をしているのかおさらいしておきましょう。

消費税は間接税で、消費者が商品を購入したり、サービスを受けたりする時に消費税を事業者に支払います。そして事業者が国に消費税を納めます。

また、消費税は商品を購入する、サービスを利用する人が消費税を負担をするものであり、事業者に負担を求めるものではありません。

事業者がメーカー・卸売から商品を仕入れする際に消費税を支払いますが、消費税を支払った事業者は販売する商品に税金分を含めて販売するので、消費税が転嫁され最終的には消費者が負担することになります。

生産、流通の各段階で二重、三重に税が課されることのないように、売り上げに係る消費税額から仕入れに係る消費税額を差し引いて、税が累積しない仕組みとなっています。

上記では、消費税の負担と納付の流れを示しています。

例えばカフェ(小売)を経営している場合、メーカー・卸売りから消費税込みの金額でコーヒー豆や機材などを仕入れします。ここでは、カフェ(小売)がメーカー・卸売りに支払う金額は仕入れ本体価格2,000円と消費税の200円になります。

他方、カフェ(小売)はお客さん(消費者)に食事を提供して消費税込みの金額を受け取ります。ここではお客さん(消費者)から受け取る金額は本体価格3,000円と消費税の300円です。

その後、カフェ(小売)はお客さん(消費者)から受け取った消費税300円からメーカー・卸売りに支払った消費税200円を差し引いて、税務署へ消費税100円を納付します。

カフェ(小売)は消費税を納付する義務は負うものの、実質的な負担が無いのが消費税の特徴です。

社会保険診療は非課税取引です

一方、社会保険診療は、患者から消費税を受けることはありません。

医療機関は医薬品や設備などメーカーから仕入れする時は課税されますが、患者さんから消費税を受け取ることができない為、医療機関は仕入れ時に負担する消費税相当額を負担することになってしまいます。

このような非課税取引を行うための仕入れにかかる消費税負担のことを「控除対象外消費税」といいます。

消費税は事業者にとって負担となるべきものではないことから、診療報酬や薬価等を設定する際には、控除対象外消費税を反映し、点数を上乗せすることで対応してきています。

医療機関は、メーカー・卸売りから社会保険診療に必要な医薬品や設備などを仕入れしています。その際に医療機関は消費税込みの金額でメーカー・卸売りから購入します。ここでは、医療機関がメーカー・卸売りに支払う金額は、仕入れ本体価格の2,000円と消費税の200円です。

他方、社会保険診療は非課税なので、医療機関が患者さんから消費税を受け取ることができません。メーカー・卸売りに支払った消費税200円は売上に係る消費税から差し引くことができないので、控除対象外消費税となります。消費税は事業者(医療機関)に負担となるべきものではないことから、消費税の200円分は診療報酬に上乗せをして、事業者(医療機関)に負担とならないように対応しています。

これまでにも、平成元年、平成9年、平成26年の消費税導入、引き上げ時において、診療報酬や薬価等の改定を行い、消費税補填を行う仕組みが採られてきています。

以上が、社会保険診療が上がる理由になります。


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